飲食店がテイクアウト・デリバリーを始めるうえで注意すべきポイントとは

多くのメディア等を通じて、営業許可や異物混入リスクの低減策など、テイクアウト・デリバリーサービスをスタートさせるまでの準備については、すでに情報をお持ちの方は多いと思います。

一方で、テイクアウト・デリバリーサービスを消費者に認知させ、実際の注文に結びつけるための宣伝活動においては、複数ある選択肢の中から、手探りで進めなければいけない状況にある事業者が大半ではないかと思います。

現在のようにコロナウィルスの影響で外出自粛が続く中、テイクアウトを始める上で、重要となるのは、テイクアウト利用者の消費経済圏を把握することです。

複数の店舗から選択するアプリやポータルサイト上に掲載をしたとしても、消費者は、極力外出を避けたいわけですから、現在地や自宅からの距離などで絞り込みを行います。

となると、結局のところは自宅や現在地から近い飲食店を選ぶことになる可能性が高くなります。

現在、テイクアウトアプリやポータルサイトでも掲載料を無料にしているところが増えていますが、同じ労力をかけて宣伝活動を行うのであれば、効果が期待できるものに注力すべきです。

【近距離圏において有効なプロモーション手法とは?】

①Googleマップの有効活用

スマートフォンユーザーに広く利用されている地図アプリにGoogleマップがあります。

従来、目的地までの経路検索が一般的でしたが、現在Googleマップ上では、「テイクアウト」「デリバリー」に対応した飲食店の検索が、ワンクリックで出来るようになっており、自宅周辺のテイクアウト店舗を検索する上で、非常に便利なアプリとなっています。

Googleマップ上に、自身の店舗を表示する方法は、Googleマイビジネス上で簡単に登録することが可能です。

https://forjapan.withgoogle.com/static/pdf/GMB.pdf
多くのスマートフォンユーザーが、Googleマップを利用していることからも、Googleマップの活用は有効であると考えられます。

②近隣住民への周知

そして、2点目に挙げる具体策は、ノボリや店頭POP、チラシのポスティングといったオフラインでのPRです。

東京都では、スーパーへの買い物も3日に1度程度の頻度へと下げるよう消費者に呼びかける等、不要不急の外出を自粛する動きは、今後も継続する見通しですが、移動が完全になくなるというわけではありません。

3日に一度外出した際、近隣の飲食店がノボリを掲げてテイクアウトを告知していれば、少なからず消費者には認知されます。

また、チラシなどのポスティングで、いままでテイクアウトを行っていなかったお店が、「自らテイクアウトを始めたことを頑張って宣伝している」ことを知れば、テイクアウトの利用を検討する可能性は飛躍的に高まる可能性があります。

https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/conversion.html
※東京都などでは、テイクアウトを新たに開始する際に必要な販促物の制作費などに使える助成金も用意しています。

筆者自身、実家が長年飲食店を営んできたこともあり、外出自粛要請を受けてからは、なるべく近隣の飲食店でのテイクアウトを利用するように努めています。

まだまだ先が見えない状況ですが、冬は必ず春になるように、この危機を乗り越えた先には、当たり前のように楽しい食事ができるようになることを多くの方が望んでいるはずです。

2020.04.30 / S.Kimura

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